えぇどくサポーターが1月に読んだ本から、厳選しておススメをお届けします。こんにちは、Yuriです!
とにかく読書量が半端ないサポーターKyoko。一体どんな本を読んだのでしょうか?
3冊印象に残った本を挙げてもらいました。
1冊目
Sally Rooney
Beautiful World, Where Are You?
ーどんなお話ですか?
微妙な関係の若い男女4人がくっついたり、離れたりする話で、ストーリー自体はたいしたことないです。
ーたいしたことがない(笑) 言い切っちゃうんですね。
メンヘラの痴話げんかみたいな内容がえんえん続いて、うんざりするんだけど、とにかく文章がうまいので読み進められます。お互いを傷つけまいとして本音を言えないで、余計変なことを言っちゃう感じを、セリフだけで表現するのがこの著者はすごくうまいんです。
ー表現のうまさ、というのがポイントになるんですね。
この著者はカギ括弧を使わないで会話シーンを書くスタイルです。読んでいくと自分も登場人物の頭の中に入っていくような気がします。ちなみにおばさんが読むと、若い頃の恥ずかしい思い出がよみがえってきて、穴があったら入りたいような気分になったりする本です(笑)
2冊目
須黒達巳
「図鑑を見ても名前がわからないのはなぜか?」
ー洋書だけではなくて、和書もたくさん読まれてますよね。一月に「これは!」と思った本はありましたか?
この本が超おすすめです!!
「同定」(生きものの種を確定させること)をテーマにした本だけど、もっとひろく「世界の解像度を上げていく」ことを細かいプロセスに分解して示した本。すっごく面白くて、生きものに興味がない人でも楽しく読める本だと思います。
ー「世界の解像度を上げていく」とは面白い観点ですね。語学もその一つですよね。違う世界観を知れるというか……
言語学習でも、スポーツでも。鉄道でも、演劇でも、推し活でも、どんなテーマにも読み替えて考えられる内容です。
あ、でも、蚊やハエを見分ける練習があるので、昆虫が苦手な人はそこだけ注意が必要です。
ーKyokoさんは昆虫平気ですもんね。私は…。飛ばして読もうかな(笑)
3冊目
Dr. Devon Price
Laziness Does Not Exist
ーそれでは最後の一冊をお願いします。
この本かな。邦題をつけるなら「怠け者は存在しない」でしょうか。
ービジネス書と言っていいのかどうかわかりませんが、Kyokoさんがこの手の本を読んでいるのは何となく珍しい印象があります。
たまたまお正月に聞いたポッドキャストで紹介されて手に取った本です。3割くらい本で読んで、あとはオーディオで聞きました。
ーaudio book(オーディオブック)で耳読というやつですね。
そうですね。便利ですよ。
ーところで、著者の先生にDr.(ドクター)がついているということは博士かお医者さんなのでしょうか?
著者は心理学の先生で、トランスジェンダーの方。
ーなるほど。では専門的な知見も含めた本なのですね。
「怠けてはいけない、生産性が高い方が人間としても価値が高い」という考えがいかに現代人を苦しめているか明らかにした本です。アメリカ人にむけて書いているけど、日本人にも当てはまるところが多いと思います。主語がおっきいって言われるかな(笑)
やりたくないこと、苦手な人や家族からの無理なお願いに「NO」というやり方、引き延ばし癖に対処する方法など、試してみたい実際的なアドバイスが多かったです。
ー何かと現代人は忙しい、というのが叫ばれていますものね。その中で自分のタイミングというか、ペースを守るヒントがあるのですね。
できないことがあっても「それはあなたの努力不足」と絶対に言わないし、デスクワークの人は頭を休めるためにこそ無駄なネットサーフィンが必要とまで言ってくれてとてもいい気分になれました。
ーあ、じゃあ私はもっと遊んだほうがいいな(笑)
そうそう。人間は一日3時間くらいしかデスクワークで生産的な仕事ができないそうですよ。
とにかく「めんどくさいなー、だるいなー」という気持ちになるときは、休んでいいという本でした。そして、休んだことに対して罪悪感を持たないようにするにはどうするか、ということにもページが割かれていたのも良かったです。
※Kyokoさんが言及したポッドキャストは、こちらのリンクから聞けます。
https://www.npr.org/2021/09/24/1039676445/laziness-does-not-exist-devon-price
他の人が読んでおもしろかった本というのはとても興味がわきますね。
Kyokoさん、ありがとうございました!